【11月22日 AFP】イタリアサッカー連盟(FIGC)は21日、今月初めのリーグ戦で一部のファンがブレシア(Brescia Calcio)のFWマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)に人種差別的なチャントを浴びせたとしてエラス・ベローナ(Hellas Verona)に科していた1試合のスタジアム一部閉鎖処分を、異議申し立てを受け延期すると発表した。

 FIGCの規律委員会はベローナに対し、本拠地ベンテゴーディ・スタジアム(Bentegodi stadium)の一部エリアを閉鎖した状態で24日のフィオレンティーナ(Fiorentina)戦を行うよう命じていた。

 この処分は、ホームのベローナが2-1で勝利した3日のブレシア戦で、バロテッリに対して人種差別的なチャントが向けられたことを受けてのものだった。

 ベローナ側は人種差別を否定したが、ファンがツイッター(Twitter)に投稿した映像では、バロテッリに向けて多くのサポーターがモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びせている様子が確認され、同選手はその後、観客席に向かってボールを蹴り込みピッチを去ろうとした。

 しかしFIGCの控訴院は、さらなる調査が行われる間、この処分を延期することにしたと明かした。

 ベローナの運営責任者であるフランチェスコ・バッレージ(Francesco Barresi)氏は「われわれは満足しており、さまざまな矛盾を強調してきた。調査結果を楽しみにしており、当然ながら好ましい最終判断を望んでいる」と述べ、「エリア全体に責任を負わせるのは不当だ」と続けた。

「われわれは24日、以前と同じように学校プロジェクトから集まった約1000人の子どもも応援してくれることになっているスタジアムで、すべてのファンを待っている」

「小さなファンたちは、あらゆる差別に反対するバナーとスローガンを持つことになっている」

 またイタリア各メディアによれば、バロテッリは同日、ブレシアのファビオ・グロッソ(Fabio Grosso)新監督と衝突したため、練習場から帰宅したという。

 ベローナに敗れたブレシアは、指揮官を務めていたエウジェニオ・コリーニ(Eugenio Corini)氏を解任。その後任になったグロッソ監督は、バロテッリが怠惰な姿勢で練習を始めたことに激怒したと伝えられている。

 伊紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)は、バロテッリはロッカーに直行し、練習場からそのまま車で帰宅したと報じた。

 セリエAで最下位に沈むブレシアは24日、約2か月ぶりの白星を目指しASローマ(AS Roma)とのアウェーゲームに臨む。(c)AFP