【12月22日 AFP】大型犬フレンチ・マスティフのロンダの前足には腫瘍があった。6歳のロンダは、脚の切断と義足を装着するための手術を受けた。施術件数も少なく複雑な手術だったが、受けなければ、待っているのは安楽死だった。

 幸運なことに、ポルトガル北部アベイロ(Aveiro)に住むロンダの飼い主パトリシア・ロドリゲス(Patricia Rodrigues)さんは、その手術に最適の人物を知っていた──ロンダが子犬の頃世話になった、獣医師のエンリケ・アーメス(Henrique Armes)氏だ。アーメス氏は、ペット用プロテーゼ(人工装具)の欧州での第一人者だ。

 アーメス氏は、リスボン中心部に開いたクリニックで、10年以上にわたり技術を磨いてきた。ロンダの手術では、切断された脚の骨髄腔(こう)に埋め込んだソケットに、チタンと炭素繊維でできたフライ返しのような形のプロテーゼを固定した。

 ロンダは2回の手術を受け、数か月入院した後、アベイロの家に戻った。以降、ロンダは新しい脚に徐々に慣れてきたと飼い主のロドリゲスさんは言う。「十分速く歩くことはできるが、走ることはできない。いつも少し足を引きずっている」

 手術の費用はおよそ2000〜4000ユーロ(約24万~48万円)。動物がソケットの埋め込みを拒絶しなければ、アーメス氏の(手術の)成功率は90%を超えるという。(c)AFP/Thomas CABRA