【11月22日 AFP】フランス北部の森で先週、愛犬の散歩をしていた妊娠中の女性(29)が複数の犬にかまれて死亡した事件で、警察は女性を襲った犬を特定するため、これまでに67匹の犬のDNA検査を実施した。捜査当局が21日、明らかにした。

 女性の遺体は16日、パリの北東約90キロにある森で発見された。この森では当時、猟犬を使った狩猟が行われていた。

 検視により、女性の死因は複数の犬に上肢と下肢、頭をかまれたことによる失血死と判明した。

 捜査を指揮するフレデリック・トリン(Frederic Trinh)検事は21日、猟犬62匹と、女性とパートナーの飼い犬5匹のDNA検査を実施したと明らかにした。

 トリン氏によると、女性は襲撃される前にパートナーの男性に電話し、「威嚇してくる犬たち」に出くわしたと伝えていた。

 女性はフェイスブック(Facebook)のメッセージでも、ジャーマンシェパードがうろついていると書いていたが、警察はその犬をまだ特定できていないという。

 パートナーの男性は地元ニュース専門局BFMに対し、連絡を受けてから45分後に現場に到着すると、初めに複数の猟犬と馬に乗った人物1人に遭遇したと語った。その後、遺体発見現場近くで約30匹の犬の群れを目撃し、頭をかまれた自らの飼い犬1匹も見つけたという。

 男性はすすり泣きながら、最初は丸太かと思ったものが女性のむき出しになった腹部だと気づいたと語った。「(女性は)衣服を完全にはがれ」「全身をかまれていた」といい、男性は「狩猟のせいとしか思えない」と述べた。

 パリに本部を置く猟友会は、「この女性の死に猟犬が関与したとする証拠はない」とし、「猟犬は特定の動物を狩り、いかなる状況でも人間に従うよう訓練されている」と主張している。(c)AFP