【11月22日 AFP】陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は21日、捜査妨害を含む反ドーピング規則への「重大な違反」があったとして、ロシア陸上競技連盟(RUSAF)の幹部らを処分した。

 今回の処分は、同国男子走り高跳びのダニイル・ルイセンコ(Danil Lysenko)の居場所情報義務違反の捜査中に、RUSAF幹部に違反行為があったとして科された。

 この結果、RUSAFのドミトリー・シリャフチン(Dmitry Shlyakhtin)会長とアレクサンデル・パルキン(Alexander Parkin)事務局長、そして選手とそのコーチの資格が暫定的に停止された。

 処分の対象となった全員が12月12日までにAIUの委員会に出席し、自らの立場を説明すると明かしたシリャフチン会長は、自身はその職を辞する意向を示した。

「私の辞任に関する質問に答える場であり、連盟の暫定会長を選出する会議はすぐに開かれる」「現在から12月12日までの間に、ロシア連盟とこの件で処分を受けた全員がAIUにそれぞれの立場を説明する」

 英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)は、2017年に開催された第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)の男子走り高跳びで銀メダルを獲得したルイセンコが、抜き打ちドーピング検査のための居場所情報の登録が体調不良によりできなかったとする書類をRUSAFが偽造したと報じている。

 15か月にわたり捜査したAIUは、RUSAFの幹部が「当該アスリートの居場所情報を登録しなかったことを説明するため、うその弁明書と偽造文書をAIUに提供した」と結論づけた。

 2018年の世界室内選手権(IAAF World Indoor Championships 2018)で金メダルを獲得した22歳のルイセンコは、RUSAFの資格が停止されてからは中立選手として大会に出場していた。(c)AFP