【11月22日 CNS】過去7年間、中国・武漢市(Wuhan)の市民、佘洪燕(She Hongyan)さんの個人情報が、公安部門の「全国麻薬中毒者データベース」に登録されていた。佘さんは「麻薬中毒者」として、旅行や宿泊などで多くの制限を受けている。——問題は、彼女は一回も麻薬を使ったことがないことだ。

 佘さんは先日、湖南省(Hunan)懐化市(Huaihua)公安局鶴城(Hecheng)支局を裁判所に訴えた。彼女の個人情報を「誤操作」により麻薬中毒者データベースに登録したのは同局だったからだ。警察は2013年、彼女に対して証明書を発行し、そこには「佘さんの個人情報を間違ってデータベースに登録したが、2013年6月にデータを削除したことを証明する」と記載されている。

 この問題は、多年にわたって彼女を悩ませてきた。佘さんによると、2012年1月に広州(Guangzhou)に行った際、ホテルでチェックインしようとすると、その30分後には彼女が「麻薬常用者」で「強制的麻薬中毒治療中」であるとして、現地の警察に連行された。取り調べと検査を行った結果、警察は彼女が麻薬中毒者ではないことを知った。

 警察は彼女に個人情報が盗まれた可能性を指摘し、麻薬中毒者データベースからデータを削除することを約束。佘さんは2013年7月、「2013年、調査結果により、上級公安機関の許可を経て、2013年6月に麻薬中毒者となっていた佘洪燕の個人情報を削除した」と書かれた証明書を受け取った。

 しかし、それから4年後、またしても同じ問題に直面することになった。2017年4月、佘さんが同僚と杭州(Hangzhou)に旅行に行った際、ホテルでチェックインしようとすると、警察が来て彼女を連行し、一晩取り調べを受けた。

 佘さんはこの2年、何度も懐化市を訪れ、市の苦情受付窓口や公安局で状況を説明したが、問題は一向に解決されていない。そして少し前、自分の情報が依然として麻薬中毒者データベースに残っていることを発見した彼女は、訴訟に踏み切った。彼女は麻薬中毒者データベースから一日でも早く個人情報を抹消し、名誉回復と経済的賠償、関係者の職務怠慢を追及するよう求めている。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News