ワイツゼッカー元独大統領の息子、講演中に刺され死亡
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【11月21日 AFP】ドイツの首都ベルリンの警察当局は20日、故リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー(Richard von Weizsaecker)元大統領の息子で医師のフリッツ・フォン・ワイツゼッカー(Fritz von Weizsaecker)さん(59)が、刃物を持った男(57)に刺されて死亡したと明らかにした。
ワイツゼッカーさんは19日夜、ベルリン西郊シャルロッテンブルク(Charlottenburg)地区にあるシュロスパーク(Schlosspark)病院で肝臓病について講演していたところ、首を刺された。
救命処置が施されたものの、ワイツゼッカーさんは現場で死亡。男は会場にいた人々に取り押さえられた。この騒ぎの中で男を取り押さえようとした男性1人が重傷を負った。
検察当局によると、男はベルリンからは遠い独最西部ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州在住で、地元でナイフを購入した後、ベルリンまで列車で移動したという。男は「深刻な精神疾患」があると診断され、ワイツゼッカーさん一家に対して「妄想の中で反感を持っていた」とみられている。
ワイツゼッカーさんの父親で2015年に死去したリヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏は、1984年から1990年まで旧西ドイツの大統領を務め、東西ドイツ統一後も1994年まで引き続き大統領職にとどまった。
首相報道官によると、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は刺殺事件について、「ワイツゼッカー家にとって非常につらい時期だ」と述べ、哀悼の意を表したという。(c)AFP