【11月21日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の政敵である野党のベニー・ガンツ(Benny Gantz)元軍参謀総長は20日、組閣を断念すると表明した。この1年で3度目となる総選挙実施の可能性が一段と高まっている。

 中道野党連合「青と白(Blue and White)」を率いるガンツ氏は、28日間と定められた連立交渉期間の期限が数時間後に迫る中で組閣断念を発表した。ガンツ氏と右派のネタニヤフ氏は9月に行われた総選挙後いずれも連立政権の樹立に失敗し、2人の勢力はほぼ拮抗(きっこう)している。

 ガンツ氏に与えられていた28日間の交渉の期限は21日午前0時だったが、決定権を握るとみられていたアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)前国防相が20日の昼食時に不支持を表明。これでガンツ氏の組閣への望みは絶たれた。

 総選挙後、まずネタニヤフ氏がレウベン・リブリン(Reuven Rivlin)大統領から28日間の交渉期限を与えられていたが、同氏は連立を目指す取り組みに失敗。これを受けて、ガンツ氏にも組閣の機会が与えられていた。
 
 今後はリブリン大統領に指導権が戻され、議会と大統領が協議の上、定数120議席の議会で過半数の支持を得られる首相候補者を21日で擁立することを目指す。それでも候補を擁立できなかった場合、2020年初めに新たな総選挙が実施される見通しで、この場合イスラエルでは1年足らずで総選挙が3度実施されることになる。(c)AFP