【11月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弾劾の是非をめぐり下院情報特別委員会が20日に開いた公聴会で、ゴードン・ソンドランド(Gordon Sondland)駐欧州連合(EU)大使が証言し、自身がトランプ氏の指示に従い、ウクライナに対してホワイトハウス(White House)での首脳会談開催の「見返り」としてトランプ氏の政敵に対する調査を要求していたと述べた。

 ソンドランド氏はトランプ氏支持派として知られるため、今回の証言は特に注目を集めた。テレビで生中継された公聴会でソンドランド氏は、トランプ大統領が2020年大統領選で対立候補となる可能性があるジョー・バイデン(Joe Biden)氏の調査を行うよう、ウクライナに対して圧力を掛けていたとの見解を示した。

 ソンドランド氏はまた、トランプ氏が米外交官らに対し、自身の顧問弁護士のルドルフ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)氏と協働するよう強要したと説明。トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)新大統領との首脳会談を保留した一方で、ジュリアーニ氏はバイデン前副大統領の息子のハンター(Hunter Biden)氏が役員を務めていたガス企業に対する調査開始を公表するようウクライナに要求していたと述べた。

 ジュリアーニ氏はさらに、ゼレンスキー大統領に対し、2016年の米大統領選でウクライナが米民主党のサーバーにロシア介入の証拠を仕込んだとする疑惑に関する調査も求めたという。この疑惑は根拠のない陰謀説だと広く考えられている。

 ソンドランド氏は「ジュリアーニ氏の要求は、ゼレンスキー大統領によるホワイトハウス訪問の手配に対する見返りだった」と証言。一方で、米政府が3億9100万ドル(約425億円)の対ウクライナ軍事支援を保留にした理由をめぐっては「明確な回答は一度も得られなかった」ものの、これもトランプ氏が求めていた調査とひも付けられていると「考えるに至った」と述べた。(c)AFP/Paul HANDLEY