【11月21日 Xinhua News】中国内外の科学者は19日、北京で、胃に内容物が保存された状態の約1億年前のヤベイノサウルス(矢部竜)の標本を遼寧省(Liaoning)建昌県(Jianchang)で発見したと発表した。白亜紀の中・小型爬虫類の捕食習慣を研究する上で重要な意義を持つという。

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 この研究は中国地質大学(北京)の邢立達(Xing Dakai)副教授が主導し、英良世界石材自然歴史博物館の鈕科程(Niu Kecheng)執行館長、英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのスーザン・E・エバンス教授らが共同で完成させた。研究論文は、国際的な学術誌出版大手エルゼビア社の「Cretaceous Research」(白亜紀研究)に掲載された。

 トカゲ類のヤベイノサウルスの化石は、遼寧省西部に分布する熱河生物群と呼ばれる地層でよく見られ、最初に発見した日本の学者によって命名された。今回発見された新しい標本は、鼻の先端から臀部までの長さが22センチある。

 邢氏は、今回の標本の体内には、これまでのものと異なり、のみ込まれた甲殻類の動物が残されており、この胃の内容物には、細かい顆粒に覆われた節足動物のはさみ、細長い胸脚(鋏<はさみ>脚)の破片や砕けた触角などが保存されていると説明。全ての特徴がザリガニ類の化石パレオカムバルス(Palaeocambarus licenti)と一致しており、現在のアメリカザリガニに似た生物であると語った。このことから、邢氏によると、研究者はヤベイノサウルスには明らかな泳ぎの跡を示す形態学的特徴はみられないが、川岸で捕食する習慣があったと推測しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News