【11月21日 CNS】帰国した留学生の就職を後押しするため、上海市欧米同窓会は16日、同市で海外からの帰国者を対象とした「海帰職通車」という人材招聘イベントを催し、会場は職を求める人で埋まった。

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 海外に留学した人が中国に帰国し、職業に就くことが「新常態」となっている。中国・教育部のデータによると、2018年度の中国から出国し、留学した人の総数は66万2100人で、留学から帰国した人の総数は51万9400人だった。

 中国の通信大手の華為技術(ファーウェイ、Huawei)やスウェーデンの自動車大手ボルボ(Volvo)、国際的会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)など、内外の著名企業と学校が海外からの帰国者のために245種の職位を準備。ソフト・エンジニア、アルゴリズム研究員、データ分析員、販売マネージャーなどの職種を含み、勤務場所は上海、杭州(Hangzhou)、合肥(Hefei)などの都市だ。

 上海のテクノロジー企業の人事担当責任者である徐霞(Xu Xia)さんは、「この数年、人材市場は海外から帰ってきた人に対してますます理性的になった。海外帰りだからといって高い給与を提示しない。個々の能力を重視する」という。

 企業の採用担当責任者は「人工知能、ビッグデータなどの新技術の勃興に伴い、理工科系の人材に対する需要が高まっている」と話している。

 ある製薬企業の責任者は、彼らにとって重要なポイントは、海外留学生の国際的視野、語学的優位性であり、実践力だという。指導教授とどんな研究をやり、どんな論文を発表したのか、学んだ知識を企業が必要とする能力に転換することができるかなど、いずれも重要だと述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News