【11月22日 Xinhua News】中国科学院蘇州生物医学工程技術研究所の研究チームがこのほど、新しい抗がんナノ薬剤を開発した。この薬剤はがんの光線力学療法と磁気温熱療法で同時に使うことができ、免疫療法の効果も高められるもので、マウス実験により、がん組織の減少やがん細胞の転移抑制に効果があることが示されている。

 研究リーダーである同研究所の董文飛(Dong Wenfei)研究員によると、この薬剤は球状の四酸化三鉄と棒状の二酸化ケイ素からなるナノ粒子で、長さが200ナノメートル、幅80ナノメートル、全体は非対称で野球のバットのような形をしている。二つの独立した機能ユニットに分かれ、互いに干渉せず、それぞれが治療作用を果たすようになっている。

 薬剤を静脈注射でがん組織に送ると、球状の四酸化三鉄が患部の磁性を強めて磁気温熱療法の効果を高め、棒状の二酸化ケイ素に搭載された光感受性薬剤が光線力学治療の効果を高める。さらに、がん組織と免疫薬のマッチングを活性化し、これら三種の治療法を同時に行うことで、より包括的にがん細胞を消滅させることが可能になる。

 研究成果はこのほど、科学誌「Advanced Science」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News