【11月20日 AFP】香港の民主派デモの参加者の一部が大学キャンパスの占拠を始めてから4日目を迎えた20日、警察に包囲された構内では今も数十人が立てこもりを続けている。支持者らは警察を混乱させるため、市内の鉄道網を妨害しようとインターネット上で呼び掛けている。

 香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)に残るデモ隊によると、状況が悪化し、さらに警察がデモ隊排除のために実弾を撃つと警告したことを受け数百人が脱出したが、今も50人近くが構内にいるという。

 疲れ果てた若者たちの集団はキャンパス内をさまよったり、火炎瓶を準備したり、体育館の床で睡眠を取ったりしている。

 弓矢を持っていた15歳の参加者は、ウィリアム(William)とだけ名乗って取材に応じ、「絶対に諦めない。そう、最後まで闘い続ける」と述べたが、「でも、弓を使えば、警察は必ず何かしらの弾を撃ち返してくるから、とても危険だ。実弾が来るかもしれない」と語った。

 一部の参加者らは夜間、医療的判断により車輪付き担架に乗せられて脱出した。現場のAFP記者は20日未明、逃げ出そうとした約10人の学生を警察が追いかけて身柄を拘束する瞬間を目撃した。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルパート・コルビル(Rupert Colville)報道官はスイス・ジュネーブの本部で、OHCHRが香港理工大での状況を「深刻に懸念」していると述べた。

 利用者の多い鉄道路線の一部は20日にまたも運行を妨害された。地元メディアによると、デモ隊は地下鉄のドアが閉じないように妨げ、駅を破壊。その後、通勤者の長蛇の列ができたという。ネット上では、市民たちに昼間の休憩中に通りに出て抗議するよう求める投稿が拡散された。

 香港の教育当局は20日、先週から閉鎖されていた小中学校を再開。だが幼稚園は今も閉鎖が続いている。地元メディアによると、ある学校では覆面をした学生らが校舎に続く道にバリケードを築き、地元住民ともみ合いになった。機動隊が学生らを排除し、一部を逮捕したという。(c)AFP/Ayaka MCGILL, Nicolas ASFOURI