【11月19日 AFP】香港の大学に民主派デモの若い参加者らが立てこもる中、警察が構内にいる参加者らを逮捕すると宣言し、家族らは不安で眠れない夜を過ごしている。

 3日前から機動隊が包囲している香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)には、100人近くがバリケードをつくって立てこもっている。

 息子(18)が中にいるという50代の母親は、警察がキャンパス内に突入して銃を連射し、息子が負傷するか、最悪の場合は殺されてしまうのではないかと恐れている。

 中国首都北京で1989年、民主化運動を軍が弾圧し、多数の市民が殺害された天安門(Tiananmen)事件に触れ、「警察が攻撃に出て、大勢の犠牲者が出るのではないかと心配している」と話した。

 同大のキャンパスで、息子が応急手当てを担当しているという女性は、警察が張った非常線のそばの公園で、息子の知らせを待ちながら一夜を過ごしたという。

「息子の命が危険にさらされるんじゃないかと、とてもとても不安で。息子はおびえています。警察に逮捕されることを恐れています」と話した。

 娘(17)が大学に立てこもっているという50代の父親は、娘は当初、逮捕と暴動罪での10年間の収監を恐れて投降を拒否していたが、最終的には学校長と共に大学外に出ることに同意したと明かした。

 AFPの取材に対してこの父親は「娘の身の安全を心配している。法的なことは後で片付ければいい」と語った。

 警察がキャンパス内のデモ隊の一掃に乗り出し、中に入ってしまえば、予測不能の展開になると懸念する父親は「最悪の場合、警察は本当に実弾を使う。警察は望む通りの筋書きを仕立て上げることができ、実際に何が起きたのかを知ることはできないだろう」と不安を示した。(c)AFP