英トラック遺体、親族は政府に借金して送還費用工面へ 「家売ってでも」
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【11月20日 AFP】英南東部エセックス(Essex)州で冷蔵トラックからベトナム人39人が遺体で見つかった事件の遺族が19日、AFPの取材に応じ、政府に借金をしてでも犠牲者の遺体を帰国させるつもりだと語った。
ベトナム外務省は、遺灰または遺体の送還を支援するが、費用は遺族が負担する必要があると表明。先月23日の遺体発見から4週間近くが経過する中、遺族は愛する家族をどうしても故郷に戻したいとして、多額の借金をいとわない姿勢を示している。
遺族宛ての公式文書をAFPが確認したところによれば、骨つぼに入れた遺灰の輸送費用は1774ドル(約19万円)、遺体の搬送費用は2858ドル(約31万円)かかる。
一方、犠牲者にはベトナム中部の農村地方の出身者が多く、遺体で発見されたレー・バン・ハー(Le Van Ha)さん(30)の出身地である中部ゲアン(Nghe An)省では、1人当たり年間所得が1200ドル(約13万円)程度にとどまっている。
ハーさんの父親、レー・ミン・トゥアン(Le Minh Tuan)さんは、「深い痛みの中にいる。とにかく、できるだけ早く息子に戻ってきてほしい」とし、「いくらでも払うつもりだ。家や土地を売ってもいい。なんとしても息子を帰らせる」と語った。
ハーさんには2人の幼い子どもと妻がいる。親族はすでに、ハーさんを欧州に行かせるため3万ドル(約330万円)の借金をしているが、トゥアンさんは、伝統的な慣習にのっとって土葬できるようハーさんを遺灰にせずに帰国させると述べている。
ベトナム外務省は遺族宛ての公式文書で、「速やかに、費用を抑え、衛生を確保しながら」送還を行えるよう、火葬を推奨している。
別の遺族、ボー・ティ・ホン(Vo Thi Hong)さんは、さらに多額の借金をし、亡くなったボー・ニャン・ズー(Vo Nhan Du)のため伝統的な葬儀をする意向を示している。
ホンさんはAFPに対し、「故郷に戻すことが最優先だ。借金の返済については後で考える」と語った。(c)AFP