【11月19日 AFP】オーストラリア東海岸一帯で続いている森林火災によって、同国の最大都市シドニーでは19日、有害な煙霧が空を覆い、大気汚染レベルがにわかに上昇した。

 公式データによれば、シドニー全体の大気汚染は「危険」レベルに達しており、同市北西部ではPM2.5(微小粒子状物質)による大気汚染状況を示す空気質指数が186を測定した。これはインドのデリー首都圏に匹敵する汚染濃度で、当局は住民に屋外での運動を控えるよう警告した。

 森林火災の起きやすい時期に差し掛かる9月初旬にニューサウスウェールズ(New South Wales)州とクイーンズランド(Queensland)州で始まった火災は先週、最大規模に達した。これまでに広範囲が焼き尽くされ、6人が死亡し、数百棟の家屋が被害を受けた。

 現在もオーストラリア東部一帯で110か所以上の森林火災が発生しており、複数の箇所ではいまだに制御不能の状態が続いている。

 11月中旬になって暑さが緩和され、消防隊は一時的に休息することができたが、20日以降は再び気温の上昇と強風、湿度の低下が予想され、森林火災への懸念が再び高まっている。

 映像前半はオーストラリア東部で広がる森林火災、ニューサウスウェールズ州の地方消防局(RFS)が19日撮影・提供。後半は煙霧で覆われたシドニー、オーストラリアの公共放送ABCが19日撮影・提供。(c)AFP