【11月19日 AFP】フランスで未成年4人に対するレイプと性的暴行の罪で起訴されている元医師が、約200人の子どもにみだらな行為をしていた疑いが浮上した。検察当局は同国史上最悪の小児性愛犯罪の可能性があるとして捜査を進めている。

　現在は引退しているジョエル・ル・スクアルネック（Joel Le Scouarnec）被告（68）に関する疑惑は、フランス中部と西部の病院で勤務していた30年間にわたっている。

　南西部ジョンザック（Jonzac）で2017年、ル・スクアルネック被告の近隣に住む住民が、同被告に当時6歳の娘がレイプされたと訴えたことで、最初の疑惑が明らかになった。

　さらにル・スクアルネック被告自身の親戚の子どもらに対するレイプや性的暴行、さらに若い患者を虐待した疑いなども浮上した。

　これらの訴えが裁判に持ち込まれた後、捜査班はル・スクアルネック被告が多数の子どもに関する性行為の様子を記した秘密の日記を発見し、新たな捜査を開始。日記に記されていた子どもたちの名前を頼りに、被害者を特定し証言を集めた。

　その結果、ラロシェル（La Rochelle）の検察官は18日、「出訴期限を過ぎていない小児性愛の犠牲者とみられる250人を2回目の捜査で特定した」と発表した。そのうち209人に質問したところ、複数人が虐待の疑いに関連する出来事を「非常に詳しく記憶していた」ことが判明した。

　ル・スクアルネック被告の弁護士は、日記の内容は純粋な「空想」だと主張しているが、184人が同被告を正式に告訴した。そのうち181人は暴行を受けたとされる当時、未成年だった。

　ル・スクアルネック被告は2005年、幼児ポルノ所持で有罪と執行猶予付き禁錮4月の刑を言い渡されている。

　裁判は来年3月13日から17日にかけてサント（Saintes）の裁判所で行われる予定。第1段階の裁判の起訴内容で有罪となった場合、被告は禁錮20年を言い渡される可能性がある。(c)AFP/Nathalie ALONSO and Olivier GUERIN