【11月19日 AFP】米メディアは18日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、味や香りが付いた電子たばこの販売を禁止する法案への署名を先送りにしたと報じた。2020年大統領選への影響を懸念したためだという。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とワシントン・ポスト(Washington Post)によると、トランプ氏の側近が、人気の高いフルーツやメンソール味の電子たばこの販売を禁止すれば来年の大統領選の主戦場となる複数の州で悪影響が出ると警告し、トランプ氏に署名を踏みとどまるよう助言したという。

 米国では電子たばこによって10代の若者を中心に健康被害が広がっていることに非難の声が上がっているが、電子たばこ業界はトランプ氏が禁止を先送りしたことを歓迎した。

 トランプ氏は9月11日にホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で「国民が病気になるのを許容してはいけないし、若者に悪影響が及ばないようにしなければならない」と発言。その後すぐにアレックス・アザー(Alex Azar)厚生長官が、たばこ味以外のフレーバー付き電子たばこを禁止する方針を発表していた。

 しかし大統領に近い筋によれば、トランプ氏は今月4日、ケンタッキー州で行われた集会に向かう機内で、電子たばこを禁止すれば販売店が閉鎖に追い込まれ、雇用が失われる可能性があると述べ、禁止の先送りに納得したという。(c)AFP