【11月18日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis)は17日、バチカン(ローマ法王庁)に1500人近くの貧困者やホームレスを招いて昼食を共にし、世の中の貧困への無関心を非難した。

 この昼食会は、「貧しい人のための世界祈願日(World Day of the Poor)」の行事。法王は昼食会に先立ち、サンピエトロ広場(Saint Peter's Square)でミサを行い「最近、貧困に関する統計を幾つか見た。心が痛んだ。社会には貧しい人々への無関心がある」と語った。

 さらに法王は、「競争に躍起になり、何もかもを今すぐ達成したがる風潮の中では、取り残された人々は邪魔者とみなされる。使い捨てにできるとさえ思われている」と批判した。「どれほど多くの高齢者たち、胎児、障害者、貧しい人々が、役立たずとみなされていることか。わが道を急ぐわれわれは、格差が拡大していることや、少数の者たちの欲望が他の多くの人々の貧困を増大させていることを、気にも留めていない」

 その後、パウロ6世ホール(Paul VI Audience Hall)で開かれた昼食会では、ラザニア、チキンナゲットのキノコとジャガイモのクリームソースがけ、デザート、フルーツ、コーヒーが提供された。

 イタリアに住んで13年になるという招待客のリトアニア人男性は、「法王とバチカンに感謝している。バチカンはとても大勢の貧しい人々に手を差し伸べ、今回のような昼食はもちろん、薬や着る物などたくさんの支援をしてくれる」と語った。(c)AFP