【11月18日 AFP】アイルランド出身の作家オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)が友人に贈り、その後盗まれていた金の指輪が、20年近くの時を経て、「美術界のインディ・ジョーンズ(Indiana Jones)」の異名をとるオランダの美術調査員によって発見された。

 1876年、ワイルドは学友のレジナルド・ハーディング(Reginald Harding)さんと共同で、学友のウィリアム・ウォード(William Ward)さんに友情の指輪を贈った。ベルトとバックルを模したデザインの18金の指輪には、「愛を望む人へ、愛の贈り物」というギリシャ語の言葉が刻まれていた。

 この指輪は2002年、ワイルドの学び舎だったオックスフォード大学マグダレン・カレッジ(Magdalen College)から盗まれた。当時の評価額は3万5000ポンド(約500万円)だったという。指輪の行方は何年も謎のままで、もう溶かされてしまったのではないかとさえ危惧されていた。

 だが、数々の盗まれた有名な美術品を発見、回収してきたことから「美術界のインディ・ジョーンズ」の異名をとる美術調査員アルテュール・ブラント(Arthur Brand)氏によって、指輪はついに発見された。裏社会のつながりを使って発見に至ったという。

 映像は14日撮影。(c)AFP/Jan HENNOP