【11月18日 AFP】(更新、写真追加)香港の民主派デモ隊は18日、占拠している大学キャンパスで、包囲する警察の突入を阻止するため入り口付近に火を放った。もうすぐ6か月目に入ろうとしている香港の抗議デモは、いっそう激化している。

 17日には、デモ隊の放った矢が警官の脚に刺さり、病院に搬送された。これを受け警察は、デモ隊が凶器を使用して警察を攻撃した場合、反撃のために実弾を使用する可能性があると警告した。

 現地のAFP記者によると、香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)では18日の夜明け頃、大きな爆発音が複数回聞こえ、その後同大学の入り口付近に炎の壁ができた。占拠したキャンパスを死守しようとするデモ隊が、突入を試みた警官隊を撃退したものとみられる。

 警察は、18日早朝に大学付近のデモ現場で実弾3発を発射したが、弾に当たった者はいないもようだとしている。

 大学キャンパスのある九龍(Kowloon)地区は17日、占拠したキャンパスを死守しようとの声が上がる中、デモ参加者の放った矢が警官のふくらはぎに刺さったほか、警察が発射した催涙弾に対抗してデモ隊が火炎瓶を投げつけるなど、終日激しい衝突となり、混乱は夜通し続いた。

 指導者不在のデモは流動的であり、次に何が起こるのか予測できない。キャンパスを占拠する展開に至ったが、構内に閉じ込められたデモ参加者の間には恐怖が広がっている。

 校舎前にバリケードを設置したデモ参加者の一人は、「怖い。出口がない。最後まで戦うしかない」と語った。

 香港理工大学の委員会メンバーで学生のオーウェン・リー(Owen Li)さんは、立てこもっているとされる数百人のデモ参加者がパニックに襲われていると話し、「たくさんの友人が孤立無援を感じている。社会全体に対して助けを訴えている」と述べた。

 AFPの記者によると、大学の外へ出ようとしたデモ参加者らは催涙ガスを受け、構内に引き返すことを余儀なくされたという。

 デモ隊はメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」を通じて、九龍地区の道路占拠の応援を呼び掛けている。(c)AFP/Anthony WALLACE / Catherine LAI