【11月18日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は17日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前米副大統領を「狂犬」と呼び、「棒で殴り殺さねばならない」と非難したことを受け、行き過ぎた主張だとしてバイデン氏を擁護した。トランプ氏が、政敵であるバイデン氏の擁護をするのは、たとえ形だけだとしても異例。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)の投稿で、過去にバイデン氏をからかったニックネームを用いて、「ジョー・バイデンは、『スリーピー(眠そう)』で『ベーリー・スロー(頭が悪い)』かも知れない」とした上で、「だが彼は『狂犬』ではない。実際、狂犬よりも多少ましだ」と述べた。

 北朝鮮のKCNAは先週、バイデン氏が「厚かましくも(北朝鮮の)最高指導者の尊厳を傷つけた」として非難。「バイデンのような狂犬は、野放しにしたら多くの人々を傷つける可能性がある」とし、「棒で殴り殺さねばならない」と猛烈に非難した。

 これに関して米国の保守派コメンテーターがツイッター上で発言。トランプ氏はそれを引用する形でバイデン氏を擁護した。
 
 バイデン氏が北朝鮮を怒らせた理由は明らかになっていない。しかし、来年の米大統領選における民主党の最有力候補であるバイデン氏は、先週公開した選挙広告でトランプ氏の外交政策を非難し、「独裁者や暴君たちが称賛され、われわれの同盟国が脇へ押しのけられている」と訴えていた。

 その中でバイデン氏が「暴君」の言葉を発した瞬間、画面にはトランプ氏と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が昨年のシンガポールにおける米朝首脳会談で握手をする写真が映し出されていた。(c)AFP