【11月17日 AFP】香港に駐留する中国人民解放軍(PLA)が16日、駐屯地を出て民主派デモにより生じたがれきなどの清掃活動を支援した。香港政府の要請なくPLAが出動するのは異例で、極めて象徴的な行動だ。

 香港の「憲法」に当たる香港基本法では、PLAの活動は駐屯地内に限定されているが、角刈りにおそろいのTシャツに短パンという格好の兵士たちは、駐屯地近くで手早くれんがやがれきを撤去した。

 中国国営メディアは、民主派デモを鎮圧するためにPLAが出動する可能性があると再三警告していた。

 PLAは中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」で、九龍塘(Kowloon Tong)地区の駐屯地前の道路に散乱するがれきを片付けて通行できるようにしたと述べた。清掃中、「住民から称賛」されたという。

 PLAの香港駐留部隊は2018年にも、台風後の清掃活動を支援していた。

 香港政府の報道官によると、今回の撤去活動は香港当局の要請によるものではなく、「兵士たち主導の自発的な地域活動」だという。

 ある香港のフェイスブック(Facebook)ユーザーは、撤去活動を行うPLAの動画を投稿。「きょうは石を拾いに来たが、明日はわれわれの命を奪いに来るだろう」とのコメントを添えた。

 香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)近くでは16日夜、デモ隊と警官隊が再び衝突。催涙弾や火炎瓶が飛び交った。(c)AFP/Yan ZHAO / Catherine LAI / Su Xinqi