【11月17日 AFP】19-20フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第5戦、ロシア杯(Rostelecom Cup 2019)は16日、モスクワで各種目が行われ、男子シングルはフリースケーティング(FS)で171.64点を記録したアレクサンドル・サマリン(Alexander Samarin)が優勝するなど、地元ロシア勢が表彰台を独占した。平昌冬季五輪銀メダリストの宇野昌磨(Shoma Uno)は4位だった。

 ショートプログラム(SP)で首位に立ったサマリンは、FSでも見事な演技を披露して合計264.45点を獲得。1月の欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2019)で2位だった21歳は、同胞のドミトリー・アリエフ(Dmitri Aliev)と4.57点差で金メダルに輝いた。

 苦難のシーズンが続く宇野はサマリンに合計12.21点差をつけられた。平昌五輪で羽生結弦(Yuzuru Hanyu)に次ぐ2位だった21歳は、今月上旬に仏グルノーブル(Grenoble)で開催されたシリーズ第3戦フランス杯(Internationaux de France 2019)では転倒を繰り返し、自己ワーストの8位に終わっていた。

 FSでは意地を見せて164.95点を記録した宇野だったが、SPの出遅れが響いて表彰台を逃した。友野一希(Kazuki Tomono)は合計237.54点で8位だった。

 女子シングルは、地元ロシアの新星アレクサンドラ・トゥルソワ(Alexandra Trusova)が、元世界女王のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva、ロシア)に逆転優勝した。

 SPを終えてトゥルソワに2.72点差をつけたメドベデワだったが、FSで15歳は圧巻の演技を見せて160.26点を記録。2016年と2017年の世界女王をあっさりと抜き去った。演技冒頭の4回転サルコーでミスがあったものの、トゥルソワは合計234.47点を獲得。FSで148.83点だったメドベデワは合計225.76点だった。

 ロシアの「4回転女王」トゥルソワは、シニアGPデビュー戦となったスケート・カナダ(Skate Canada International 2019)に続き2連勝を飾っている。

 3位は合計205.67点を記録した米国のマライア・ベル(Mariah Bell)だった。日本勢は宮原知子(Satoko Miyahara)が合計192.42点で4位、横井ゆは菜(Yuhana Yokoi)が合計182.68で6位、白岩優奈(Yuna Shiraiwa)が合計170.03点で10位だった。

 ペアでは、ロシアのアレクサンドラ・ボイコワ(Aleksandra Boikova)/ドミトリー・コズロフスキー(Dmitrii Kozlovskii)組が、同胞のエフゲニア・タラソワ(Evgenia Tarasova)/ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)組を抑えて優勝した。

 また、アイスダンスでもロシアのヴィクトリヤ・シニツィナ(Victoria Sinitsina)/ニキータ・カツァラポフ(Nikita Katsalapov)組が優勝。地元勢が全種目で頂点に立っている。

 GPシリーズは22日から札幌で開催される第6戦NHK杯(NHK Trophy 2019)で最終戦を迎え、GPファイナルは12月5日から8日にかけてイタリア・トリノ(Turin)で開催される。(c)AFP