【11月15日 AFP】2014年にウクライナ東部でマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便が撃墜され、乗客乗員298人が死亡した事件で、国際捜査チームは14日、起訴された4人が所属するウクライナ分離派(親ロシア派)の武装勢力と、ロシア政府の「高官」の密接な関係を示す電話の通話記録を公開した。

【写真で振り返る】ウクライナのマレーシア機墜落現場(2014年)

 MH17便を撃墜したミサイルの配備に、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の側近など、複数のロシア政府高官が関わっていた可能性を示唆する音声記録だとしている。

 また、傍受された会話からは、ウクライナ東部の分離派「ドネツク人民共和国(DNR)」の戦闘員らとロシア政府の関係がこれまで考えられていたよりも「ずっと緊密」なことが分かるという。

 オランダが主導する国際捜査チームは、「DNRの指導者らとロシア政府の担当窓口との間では、毎日のように電話連絡が行われていた」と発表した。通話先は「モスクワの指導者ら、ウクライナ国境に近いロシア国内、クリミア(Crimea)半島」で、「主にロシア治安当局が提供した機密性の高い電話回線を通じて」連絡を取り合っていたという。

 ロシア外務省は、この発表内容を否定している。

 MH17便の撃墜事件ではロシア国籍3人とウクライナ国籍1人が起訴されており、来年オランダで裁判が始まる。国際捜査チームは現在も目撃証言など情報提供を呼び掛けている。

 MH17便は、オランダ・アムステルダムからマレーシア・クアラルンプールに向かう途中、ウクライナ分離派が支配する同国東部上空でロシア製地対空ミサイル「ブク(Buk)」による攻撃を受け、墜落した。(c)AFP/Danny KEMP