【11月15日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は14日、現在トップドライバーが各チームと契約交渉を進めていると明かし、2021年シーズンを前に大規模な移籍が起きる可能性があるとの認識を示した。

 通算6度目の年間優勝が確定したハミルトンをはじめ、ルノー(Renault)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)、通算4度の総合優勝に輝くフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)ら現代F1の稼ぎ頭である4人は、2020年シーズンで所属チームとの契約が満了を迎えるため、2021年には別のチームに移籍する可能性がある。

 そうした中でハミルトンは、メルセデスの燃料サプライヤーであるペトロナス(Petronas)が主催した記者会見の席で、来季中には「ドライバーが入れ替わることは間違いない。裏ではいろいろな物事が動いていて、各ドライバーは具体的に各チームと交渉している最中だ」と報道陣に語った。

 また、2021年シーズンから導入される新しい規則が、F1の大変革に拍車をかけるだろうという見解を示し、「書面通りの動きになれば、長い歴史を持つこのレースでも最高の時代が到来すると思っている。そして、自分もそこにいたいものだ」とコメント。将来サーキット上で、フェルスタッペンやフェラーリのシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)とバトルを繰り広げることを歓迎する姿勢も示した。

 先日、通算2度の世界制覇を誇る元F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)から最高のF1ドライバーとたたえられたフェルスタッペンと、モナコ出身のルクレールについて、ハミルトンはどちらも将来の王者と予測しており、「二人とも本当にフェアでアグレッシブなドライビングスタイルを持っていて、それは素晴らしいことだ。それと、誰が勝利を収めていくかということに関して言えば、そうだね、自分もそこにとどまって彼らを阻止できることを願っている」と語った。

「短期的に見て、タイトル争いができるマシンを供給する可能性が大きいのはフェラーリだと思う」

 一方、ブラジルGP(Brazilian Grand Prix)が将来新しいサーキットで開催される計画が浮上している件に関しても、ハミルトンはやんわりとくぎを刺し、インテルラゴス・サーキット(Interlagos Circuit)を称賛した上で、同国の熱帯雨林へのダメージが広がる可能性があると批判した。

 ハミルトンは改修の必要がありながらも昔ながらのインテルラゴス・サーキットを気に入っており、ここはマクラーレン(McLaren)時代の2008年シーズンには劇的な形で初の年間優勝を果たした思い出の地でもある。

 さらに、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に建設予定の新サーキットへの移転計画には懐疑的な姿勢を示しており、F1が2030年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の達成を目指していることを支持した。

「自分は少し古風でね」「インテルラゴス・サーキットが大好きなんだ。それに正直なところ、新しいサーキットを建設するには多額の資金が費やされる」「F1はすでに、歴史的なサーキットをここに確保している。これ以上、熱帯雨林の伐採も環境破壊も必要ない」

「そうした資金は、ここでもっと有意義なことに費やせる。町のインフラ整備とかね。貧困地帯もまだ多く残っている。それが自分の資金だったら、もっと良い目的に使うだろう。例えば、教育はとても重要なことだ」 (c)AFP