【11月15日 AFP】オランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は14日、ミャンマー国軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対する虐待の疑いについて、人道に対する罪や迫害の罪などで正式に捜査を開始することを決定した。

 ICCは、「(ミャンマーに関する)ICC管轄内での犯罪の疑いについて、検察官が捜査を進めることを認めた」と発表。ロヒンギャに対する「組織的な暴力行為」、人道に対する罪としての国外退去、民族性または宗教を理由とする迫害の疑いについて捜査が行われるという。

 ミャンマーに対しては今週、国連(UN)の主要司法機関である国際司法裁判所(ICJ)でもロヒンギャの扱いをめぐってジェノサイド(大量虐殺)の罪で提訴されており、圧力が強まっている。

 2017年にミャンマーが軍による弾圧を開始したことで、ロヒンギャ74万人が隣国バングラデシュの難民キャンプへの避難を余儀なくされた。国連の調査官はミャンマー軍による暴力行為について「ジェノサイド」に相当すると述べている。

 ミャンマーはICC非加盟国だが、ICCは2018年、ロヒンギャが逃れているバングラデシュが加盟国であることから、ロヒンギャに対する犯罪について管轄権を行使できるとの判断を下した。

 これを受けてICCのファトゥ・ベンスダ(Fatou Bensouda)主任検察官は、2018年9月にミャンマーに対する予備調査の開始を認められ、今年7月に全面的な正式捜査の開始を正式に申請していた。(c)AFP