【11月15日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)は14日、5日目が行われ、大会第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、ほぼ完璧なパフォーマンスで第2シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を6-4、6-3で下し、ベスト4入りを決めた。

 通算6度の大会制覇を誇るフェデラーは、初戦で第5シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)にストレート負けを喫したものの、ここぞという試合でまさに本領を発揮し、今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)決勝でジョコビッチに敗れた雪辱を果たした。

 一方のジョコビッチはこの敗戦により、第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)から王座を奪い、世界ランク1位でシーズンを締めくくる可能性がついえてしまった。

 英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)に詰めかけた観客から大声援を受け、試合開始からリズムに乗ったフェデラーは、ジョコビッチのサーブに押される場面もあったが、自身のサービスゲームでは第1セットを通して相手にわずか7ポイントしか許さなかった。

 第2セット頭からジョコビッチはギアを上げたものの、フェデラーは1度だけ相手に握られたブレークポイントをしのぐと、2度のブレークに成功して勝利。通算17度目の出場で、16度目の準決勝進出を果たした。

 ジョコビッチが世界トップの座を奪還するには今大会でのタイトル獲得が絶対条件となっていたが、この試合の結果によりナダルが通算5度目の年間1位を確定させ、フェデラー、ジョコビッチ、そしてジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏の記録に並んだ。

 フェデラーは試合後、「素晴らしい雰囲気で、素晴らしい対戦相手」だったとすると、「本当に信じられないくらい特別な試合だった。最初から楽しむことができた」「信じられないようなプレーができた。ノバクのプレーがそうだから、自分もそうする必要があった。まさに魔法のようだった。本当に特別なものにしてくれた皆さん(観客)には、感謝しきれない」と語った。

 また、今年のウィンブルドン決勝とは何が違っていたかについては、「マッチポイントを勝ち取れたことかな。ウィンブルドンは本当に接戦だった。浮き沈みの激しかったあの試合を戦えたことは名誉なことだった。今はこれ以上ないくらい満足している」と話した。

 これでフェデラーは、グループB(ビョルン・ボルグ<Bjorn Borg>)でティエムに次ぐ2位通過となり、16日にグループA(アンドレ・アガシ<Andre Agassi>)の1位通過の選手と対戦することになる。

 グループBのもう一試合では、第8シードのマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)が7-6(7-3)、6-3でティエムとの激闘に勝利。シーズン最終戦で白星を記録した史上初のイタリア人選手となった。

 グループAでは、第6シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)がすでに準決勝に駒を進めている中で、ナダルをはじめ前回覇者で第7シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、そして第4シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)が、15日に残り一枚の切符を争うことになっている。(c)AFP/John WEAVER