【11月15日 AFP】イタリア政府は14日、異例の高潮に見舞われた古都ベネチア(Venice)に非常事態を宣言した。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産にも登録されている同市では教会や商店、住宅が浸水し、被害総額は数億ユーロ(数百億円)相当とみられている。

 イタリアのジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は、内閣が非常事態を承認したと表明。12日の水害を受けて、ベネチアで「最も急を要する介入」を行うため、2000万ユーロ(約24億円)の迅速な財政援助を命じたと述べた。

 非常事態宣言にもかかわらず、観光客らは天候の一時的な回復を受け日差しが降り注ぐ中、色とりどりの長靴を履いて冠水したサンマルコ広場(St Mark's Square)付近を歩いたり、自撮りを楽しんだりした。

 14日朝には、水位のさらなる上昇を注意する警報が市内全域に鳴り響いたものの、水位は12日と比べ低位にとどまった。12日の水位は過去50年で最高に達していた。

 コンテ氏は今回の水害について、「わが国の心臓部への打撃」だと表明。ベネチアのルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長と救急当局と会談し、その後ボートで高潮の被害を受けた商店主や地元住民らの訪問へと向かった。(c)AFP/Alexandria Sage with Ella Ide in Rome