【11月14日 AFP】香港では14日も民主派の抗議デモが続き、市街は4日連続でまひ状態に陥っている。「遍地開花」(至る所での開花)と銘打った戦略を展開するデモ隊は、各地で道路の封鎖や公共交通機関への妨害を実施し、アーチェリーの矢などで警察に対抗。学校や大学は休校となり、休業に追い込まれる企業・商店も相次いでいる。

 主要幹線道路はレンガや竹で作ったバリケードで封鎖され、香港海底トンネルも閉鎖された。地下鉄とバス路線は運休となり、人口約750万の香港の交通網は混乱の極みにある。

 市内の病院では、緊急性のない手術が延期された。香港政府は、交通網の乱れに影響される労働者への柔軟な対応を雇用者側に呼び掛けている。

 警察は早朝、デモ参加者の集合場所として呼び掛けがあった香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)近くで、この日最初の催涙弾を複数発射した。フェイスブック(Facebook)への警察の投稿によると、早朝に同大付近を巡回していた警官らに向け「暴徒ら」が「矢を放った」という。

 学生らは催涙弾やゴム弾で武装した警察に対抗するため、即席の投石機や、体育倉庫から持ち出したアーチェリーの弓矢など、新たな武器を導入しつつある。

 政府は、13日だけで70人近くが病院で治療を受け、うち2人は重体だと発表した。中国国営メディアはレトリックを駆使した報道を展開。共産党機関紙系の環球時報(Global Times)は「暴徒らによって大学構内がシリアのような戦場に」との大見出しで1面に記事を掲載し、英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)はデモ隊が大学を「革命基地」に変えてしまったと非難している。(c)AFP