【11月14日 AFP】サウジアラビアの国家保安庁は先週末にフェミニズムと同性愛、無神論を過激思想と見なすアニメーション動画をツイッター(Twitter)に投稿したが、物議を醸したことを受けて動画を削除し、事態の収拾を図っている。

 折しもサウジでは、同国の実質的な指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が海外観光客に初めて門戸を開き、同国の超保守的なイメージを刷新しようとしている。

 人権活動家らは動画を非難。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は「極めて危険」で「同国における表現の自由、生命、自由、安全に対する権利に深刻な影響を及ぼす」ものと批判した。

 国家保安庁は12日夜、国営サウジ通信(SPA)を通じて声明を出し、問題の動画には「多くの間違い」が含まれているとした上で、動画に関与した人物らに対して正式な捜査を実施すると発表。また、フェミニストらが収監され、むち打ち刑を科されるとした現地紙アルワタン(Al-Watan)の報道を否定した。

 サウジの人権委員会(Human Rights Commission)は別の声明で、「フェミニズムは違法ではない」「女性の権利を最重要視」していると強調した。

 いずれの声明も、同性愛と無神論には言及していない。イスラム教国であるサウジでは、同性愛と無神論は違法で、死刑に相当する罪とされている。(c)AFP