【11月14日 AFP】(写真追加)ロシアの航空会社アエロフロート(Aeroflot)は12日、重量オーバーの飼い猫を客室に持ち込んだ男性の航空マイルを剥奪した。男性は一度持ち込みを拒否された後、別の猫を替え玉に立ててチェックインしたが、フェイスブック(Facebook)投稿で「作戦」の成功を自慢したことで不正が発覚した。

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 マイルを剥奪されたのはミハイル・ガーリン(Mikhail Galin)さん。本人の先週のフェイスブック投稿によれば、事が起こったのはラトビアからロシア極東ウラジオストク(Vladivostok)に帰る途中、モスクワでの乗り継ぎの時だった。飼い猫のビクトル(Viktor)は体重が10キロあり、機内持ち込みの上限である8キロを超えていたため、同乗を断られたという。

 ガーリンさんは、恐がりのビクトルを寒い貨物室でひとりぼっちにできないと考えてその便をキャンセル。モスクワで「体重の軽い似た猫を見つけるという戦略的な判断」をした。

 翌日、ガーリンさんは「太っちょ猫のビクトル」と「小柄な猫のフィービー(Phoebe)」、フィービーの飼い主と共に空港に戻り、「替え玉作戦」を決行。ビジネスクラスにチェックインすることに成功した。

 ガーリンさんは、シャンパン入りのグラスの向こうで快適そうに座るビクトルの写真を機内で撮影し、インターネットに投稿。ロシアの愛猫家の間で一躍ヒーローになった。

 だが、アエロフロートはこの一件を深刻に受け止めた。AFPへの説明によれば、事態を受けて調査が行われ、ガーリンさんがビクトルと「体重7キロの似た猫」を入れ替える様子が監視カメラ映像で確認された。

 同社はこの行為を規約違反とし、ガーリンさんをマイレージサービスから除外することと、これまでにたまっていたマイルを無効にすることを決定した。

 複数の報道によると、ガーリンさんは40万近くのマイルを保有していた。

 ロシアでは今回の決定に対する怒りの声が相次ぎ、これは太っていることへの辱めだとの批判も出ている。

 また、太った猫の飼い主らは、ガーリンさんが「作戦」を公にしたことで、再発防止のため航空会社が規制を強めるのではないかと懸念している。(c)AFP