平田普三教授(青山学院大学理工学部 化学・生命科学科 脳科学研究室) の研究グループは、魚をモデルとした運動研究から、運動能力が親から子に遺伝することを明らかにしました。




 運動能力には個人差がありますが、アスリート親子のように運動能力が遺伝することを想起させる例は多数あります。後天的な要素であるトレーニングが重要なのは明らかですが、遺伝的な背景の違いが運動能力の差をもたらすことも何となく知られていました。
 本研究グループの若松勇真さん(理工学研究科 理工学専攻生命科学コース 博士前期課程2年)は、ゼブラフィッシュという観賞用熱帯魚を人工的な水流で泳がせる手法(スイムミル)で魚の運動能力を定量評価し、魚のオスとメスでは運動能力に差がないことを見いだしました。ゼブラフィッシュは研究用の実験動物として世界中の研究施設で繁殖維持されており、遺伝的に異なる「系統」があります。Tübingen(TU)という系統は運動能力が高いのに対し、Wild India Kolkata(WIK)という系統は運動能力が顕著に低く、この運動能力の良しあしは親から子に遺伝することが分かりました。
 これは、経験的に知られていた運動能力の遺伝を定量的に結論づけた報告です。本研究から運動能力は遺伝することが明らかになりましたが、これは決して運動能力の限界が遺伝的に決まっていると主張するものではありません。むしろトレーニングの重要性を訴えるものです。魚でもトレーニングで運動能力が向上するという報告があり、本研究と合わせると、運動能力のスタート地点に個人差があっても、地道にトレーニングを行えば、誰でも運動能力を高め、スポーツで活躍できるようになると考えられます。

 本研究は2019年11月8日(金)にネイチャー・リサーチ社が発行する世界最大の学術雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。

・研究題名: Swimming capability of zebrafish is governed by water temperature, caudal fin length and genetic background
 https://www.nature.com/articles/s41598-019-52592-w



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