【11月13日 AFP】インド北東部アッサム(Assam)州で村人5人を殺害し、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の創設者、故ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者にちなんで「ラディン(Laden)」と呼ばれていたゾウが、ヒンズー教の神にちなんだ名前に改められた。クリシュナ(Krishna)という名前になったこのゾウは、公園をパトロールする訓練を受ける予定だという。当局が12日、明らかにした。

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 10月後半にアッサム州ゴアルパラ(Goalpara)地区で暴れまわり、村人らを恐怖に陥れた雄のゾウ「ラディン」をめぐっては、森林当局が数日にわたって追跡し、11日に麻酔銃を撃って捕獲した。

 当局は当初、ラディンを野生に返す予定だったが、現在は州内の自然公園や聖地をパトロールするよう訓練したいとしている。

 アッサム州森林相は、「ゾウは元気でやっている。可能ならこのゾウを訓練して飼育下に置いておきたい」と述べた。

 ある当局者は、このゾウが捕獲された日である11日はクリシュナ神が「神聖な愛のダンス」を披露したとされる縁起の良い日だったため、この神にちなんで名付けられるべきだとし、「現在は鎮静剤を打たれ、今後は飼育下に置かれる可能性が高いので、皆に知ってもらうために良い名前を持った方が良い」と述べた。

 ラディンから改名されたクリシュナは、麻酔から回復したら同州の中心都市グワハティ(Guwahati)にある州立動物園で飼育されることになっており、その後、飼育下にある他の2頭のゾウと一緒に「訓練のため」国立公園に移送される。

 州森林相は、「だが、飼いならして訓練することができなければ、市民を傷つけない安全な場所でこのゾウを放つ必要がある」とも述べている。

 今年6月に発表された公式集計によると、インドでは過去5年間で2300人近くがゾウによって殺されている。(c)AFP