【11月13日 AFP】スリランカで、スウェーデン出身の10代女性を撲殺し、死刑判決を受けていた名家出身の男が先週、大統領の恩赦により釈放されたことを受け、厳重な警備か敷かれる同国最大の刑務所では、大勢の受刑者が釈放を求める抗議デモを2日間にわたって繰り広げた。

 2005年に同国の中心都市コロンボ(Colombo)で、スウェーデン出身のイボンヌ・ヨンソン(Yvonne Jonsson)さん(19)を殺害したとして有罪判決を受けていたジュード・ジャヤマハ(Jude Jayamaha)元死刑囚は9日、退任を控えるマイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)大統領から極めて異例な恩赦が与えられ、ウェリカダ刑務所(Welikada Prison)を出所した。

 警察によると、コロンボにある同刑務所では11日、1000人前後の受刑者らが監房に戻ることを拒否し、さらに受刑者4人が刑務所の屋根によじ登った。

 当局は、必要であれば命令により進入すべく警察の特殊部隊が外で待機していると明かした。

 同国南部の別の刑務所でも、同じような抗議活動があったとの報告がある。

 受刑者らは、裕福な名家出身で政治的な人脈を持つジャヤマハ元死刑囚と同じ条件で、自分たちを釈放するよう要求している。

 スリランカ人の母とスウェーデン人の父を持つヨンソンさんは事件当時、スリランカで休暇を過ごしていたところ、ジャヤマハ元死刑囚との間で口論となり、コロンボ市内の高層アパートで撲殺された。裁判によると、ヨンソンさんの頭蓋骨は64片に割れていたという。

 シリセナ大統領は先週、ジャヤマハ元死刑囚への恩赦を発表。

 この発表をめぐり、主要政党からだけでなく、ソーシャルメディア上でも怒りの声が上がった。(c)AFP