【11月13日 CNS】今年の中国EC「天猫(Tmall)の独身の日『双11』」販売セールは、次々と新記録を塗り替えている。5億人を超す消費者、20万のブランド、数百万の店舗を合わせ、全社会が共振している。この背後にある技術インフラは、世界レベルのスーパープロジェクトといえる。

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 11日の夜、阿里巴巴集団(アリババグループホールディング、Alibaba Group Holding)の最高技術責任者(CTO)で、阿里雲智能(アリババ・クラウド、Alibaba Cloud)の張建鋒(Zhang Jianfeng)総裁は「今年の『双11』で、われわれは一番重要なシステムすべてをクラウドに上げた」と語った。

 アリババはこの1年間でオフラインのデータセンターに置いてあった1万以上のアプリケーション、10万を超えるサーバー、数百万のコンテナを公共のクラウド・プラットフォームに移転した。このいわば「飛行機がエンジンを交換する」ほどの重要な動きを、消費者と店舗にまったく感知されることなく、すべてのコア・システムのクラウドへの移転を完了した。今年実現した成約のピーク値は54.4万本/秒で、2009年の第1回の「双11」に比べて1360倍となった。

 張CTOは「今年の『双11』ではすでに10億個の物流オーダーが発生し、それら一個一個の注文書、売買、支払い、包装貨物のすべてで間違いが起きてはならない。これは技術的には非常に大きなチャレンジだ」と語っている。

 新記録の背景には、アリババが10年をかけて自主開発をしてきた中国で唯一の「飛天(Apsara)」クラウド・オペレーションシステムがある。このほか、アリババの技術革新は「時差ゼロ」をクラウド上で実現し、クラウド・コンピューティングは世界中のすべてのユーザーがアリババと同じ計算能力を持つことができるとしている。

 報道によると、アリババはコア・システムを100%公共クラウド上で運用する世界初の大型IT企業だという。同じようにクラウドの巨頭といわれるアマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)は、いずれもまだこの一歩を踏み出していない。

 張CTOによると、アリババが自社開発したチップ「含光」は来年の天猫「双11」で大規模に使われることとなる。今年、AI技術はすでにこの世界最大の商業イベントの中で広く使われており、11種類の言語を流ちょうに操るロボット秘書が100以上の国と地域で大部分のカスタマーサービスを担っており、AIが指揮する倉庫ロボットは出荷能力を60%引き上げている。(c)CNS/JCM/AFPBB News