【11月12日 AFP】中国南部の雲南(Yunnan)省で、幼稚園に男が侵入して腐食性の液体をまき、50人以上が負傷した。けが人の大半は子どもだという。地元当局が12日、明らかにした。

 現場は同省開遠(Kaiyuan)にある幼稚園。同市当局によると、孔という姓の容疑者(23)が塀によじ登って園内に侵入し、水酸化ナトリウム水溶液をまき散らしたという。

 当局は中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」に、事件は11日午後3時35分(日本時間同4時35分)に発生したと投稿。

 園児51人と職員3人が手当てを受けるため病院に搬送され、うち2人は「重篤な症状」を示しているという。警察は、発生から1時間足らずで孔容疑者を拘束した。

 地元当局は孔容疑者について「両親が子どもの頃に離婚し、家族の温かさの欠如が精神的なゆがみを招いた」と明かすとともに、仕事や生活にも不満を抱えていたと指摘。

 これら全てが「悲観的な心理状態や社会への復讐(ふくしゅう)という考えを生んだ」という見方を示している。

 中国では、児童・生徒を狙った襲撃は珍しくない。ここ数年だけでも死傷事件が相次ぎ、特に刃物が凶器として用いられることが多い。(c)AFP