【11月12日 AFP】シリア北東部のクルド人支配地域の中心都市となっているカミシリ(Qamishli)で11日、爆弾が3か所で同時に爆発し、少なくとも民間人6人が死亡した。

 直前には、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がカミシリで活動していた米国人のカトリック司祭を殺害したと発表したが、同時攻撃に関する犯行声明はこれまでのところ出ていない。

 在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、人出の多い市場や学校周辺、複数の教会などがある地区で、爆弾が仕掛けられた自動車2台とバイク1台による爆発が起きた。シリア国内からの情報によると、民間人6人が死亡、22人が負傷したという。

 AFP特派員によると、現場には煙が立ち込め、焼け焦げた車両が残っていた。近隣の店舗は破壊され、3階建ての建物の窓ガラスも割れていたという。

 この爆発の前、ISはカミシリで活動する米国人のカトリック司祭を殺害したと発表していた。シリアのクルド人支配地域で少数派のキリスト教徒らを支援している在仏団体「ルーブル・ドリエント(L'Oeuvre d'Orient)」は、司祭の身元について、ジョセフ・ハンナ・イブラヒム(Joseph Hanna Ibrahim)司祭だと確認している。同団体は司祭殺害は「テロ攻撃」であり、今回の同時爆発も「教会近く」で起きたとして非難している。

 シリア人権監視団によるとイブラヒム司祭は、シリア東部デリゾール(Deir Ezzor)県へ教会再建の視察に向かう途上で、同行していた父親と一緒に銃撃された。

 クルド人部隊とバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権派の部隊が治安維持を分担しているカミシリを含め、シリア国内には約100万人のキリスト教徒が住んでいる。(c)AFP/Delil Souleiman