【11月16日 CNS】中国語と中国文化の普及を進める孔子学院(Confucius Institute)が2009年に設立した奨学金を、これまでに166か国・地域で約5万人の学生が受け取っていることが分かった。

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 孔子学院本部は8日、北京でオープンイベントを開催。奨学金の設立10周年にあたり、エジプト、ケニア、米国などから来た11人の奨学生が、自分がどのように中国語と中国文化を学んできたかを説明した。

 孔子学院本部の馬箭飛(Ma Jianfei)副幹事長は「10年前のこの日、ドイツ人留学生ルーカスさんが奨学金プログラムを受けて北京語言大学(Beijing Language and Culture University)に留学し、世界で初めて孔子学院の奨学生になった」と紹介。この10年間で奨学金プログラムに200以上の大学が協力し、4万8000人あまりの留学生を受け入れてきた。

 留学生らは帰国後、語学教師や中国の研究者になったり、政府部門で中国と交流を促進する担当になったりしており、中国語を学んだことで新しい人生を切り開いた。

 米国から来た留学生の何嬌霞(He Jiaoxia)さんは今年6月末に北京師範大学(Beijing Normal University)の博士号を取得した。中国に来る前、彼女はボストンで中学生と高校生に中国語を教えていた。「私はぜひ、米国の大学で中国語と中国文化の教師になりたいと思っています。米国では今、中国語ができる大学卒業生のニーズが高まっています」と話した何さんは、博士号を取得したことで、この秋から米国の大学で助教授になることを目指すという。

 ロシアから来た留学生の唐曦蘭(Tang Xilan)さんは、中国で7年間勉強し、中国語が大きく進歩したと語った。最近は中国語で詩を書いていると明かし、「最初は中国語の練習のため書いてみたのですが、そのうちに自分の気持ちを表現できるようになりました。中国語が好き、中国が好きという気持ちを一行一行の詩に表しています」と喜びを語った。

 孔子学院は2004年の設立以降、数千万人の中国語愛好家に中国語を学び、中国文化を体験する機会を提供。世界の人々が中国を理解するための重要な場となっている。8日には「孔子学院創立15周年」展示会も開催され、中国語教育や人文交流の成果が展示された。(c)CNS/JCM/AFPBB News