【11月13日 AFP】(更新、写真追加)イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)にあるイスラム過激派組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」のバハ・アブ・アタ(Baha Abu Al-Ata)司令官(41)の自宅を攻撃し、司令官を殺害した。これを受けてパレスチナ側はガザ地区から報復としてロケット弾およそ200発を発射し、イスラエル軍もガザ地区に空爆を行った。

 イスラム聖戦はアタ司令官とその妻が死亡したと明らかにした。ガザ地区の保健省は、これまでに計10人が死亡し40人以上が負傷したと発表した。イスラエルは、このところ実施されていた同国へのロケット弾発射はアタ司令官に責任があるとし、同司令官はさらなる攻撃を準備していたと主張している。

 一方イスラエルでは、ロケット弾のうち少なくとも1発が家屋を破壊し、別のロケット弾が幹線道路を走行中の車のすぐ近くに着弾するなどして、複数の被害やけが人が確認されている。イスラエルの医療関係者は46人に手当てを施し、うち21人はロケット弾に関連する「ストレス症状」を訴えていたと明らかにした。

 ガザ地区からのロケット弾を受けてイスラエル各地ではサイレンが鳴り響き、住民は防空シェルターに避難した。

■ダマスカスでも攻撃、イスラム聖戦の幹部を狙う

 12日は、イスラエルがシリアの首都ダマスカスでイスラム聖戦の幹部を狙って別の攻撃を実施したとの報道もあり、緊張がさらに高まった。

 イスラム聖戦は、この攻撃は同組織幹部のアクラム・アジューリー(Akram Ajouri)氏を狙ったものだったとしている。国営シリア・アラブ通信(SANA)はダマスカスにあるアジューリー氏の自宅がイスラエルから攻撃され、アジューリー氏の息子とその他1人が死亡したと報じた。

 イスラエルはこの攻撃についてコメントしていない。(c)AFP/Adel Zaanoun with Michael Blum in Sderot, Israel