【11月12日 AFP】世界ラリー選手権(WRC 2019)の主催者は12日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ(New South Wales)州のコフスハーバー(Coffs Harbour)付近で森林火災が発生しているため、今週予定されていた第14戦のラリー・オーストラリア(Kennards Hire Rally Australia 2019)を中止すると発表した。

 オーストラリアは3人の死者を出したこの火災の制御に苦しんでおり、14日から開催されるはずだった今季最終戦は取りやめになった。

 トヨタ(Toyota)のオット・タナック(Ott Tanak、エストニア)は、先月27日に行われた第13戦のラリー・スペイン(Rally De Espana 2019)でヒュンダイ(Hyundai)のティエリー・ヌービル(Thierry Neuville、ベルギー)に次ぐ2位に入り、すでに自身初となる総合優勝を飾っていた。

 トヨタを離脱し来シーズンからヒュンダイに移ることになっているタナックは、これで総合2位のヌービルに36ポイント差をつけ今季を終えることになった。

 また、ラリー・オーストラリアを前にトヨタを18ポイント上回っていたヒュンダイがマニュファクチャラーズ部門の王者に輝くと見込まれている。

 ドライバーとクルーが、レースが行われればあり得ない状況になるだろうと恐れを抱き、緊張感が高まっている中で中止が発表された。空気中に灰や濃煙が漂う中、各チームはそれぞれの車両点検エリアを引き払い、ホテルに戻るよう伝えられた。

 トヨタは今回の中止について、「唯一の正しい行動であり、すべての被災者とそのご家族、また悲惨な森林火災の影響を受けたNSW(ニューサウスウェールズ)州の方々にお見舞い申し上げる」と発表した。

 トヨタはさらに「われわれを守り、安全を維持してくれている消防士の方に最大限の敬意を表したい!」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP