【11月12日 AFP】メキシコで末日聖徒イエス・キリスト教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints、通称モルモン教)信徒の女性3人と子ども6人の計9人が殺害された事件で、メキシコ当局は複数の容疑者を逮捕した。治安省が11日発表した。

 アルフォンソ・ドゥラソ(Alfonso Durazo)治安・市民防災相は記者団に対し、「容疑者らは逮捕されたが、これ以上の情報は提供できない。連邦検察庁とソノラ(Sonora)州の検察当局による捜査が進行中のためだ」と述べた。AFPは両検察当局にさらなる情報提供を求めたが、返答は得られなかった。

 米国とメキシコの二重国籍を持つ女性3人と子ども6人の殺害事件は、双方の国に衝撃を与えた。

 生後8か月の双子の子どもを含めた被害者家族は1週間前、メキシコ北部ソノラ州とチワワ(Chihuahua)州を結ぶ道路を車で移動中に襲撃され、集中砲火を浴びて死亡した。周辺は麻薬組織の抗争が多発している無法地帯だった。

 当局は、麻薬組織「ラ・リネア(La Linea)」が敵対する組織のメンバーと誤って、モルモン教徒の家族を標的にした可能性があると述べている。しかし犠牲者の遺族らは、意図的な犯行だったと主張している。

 襲撃現場からは子ども8人が逃れたが、うち6人は負傷していた。13歳の男児は弟たちが隠れるのを手伝った後、22キロの距離を歩いて自宅に戻り助けを求めた。(c)AFP