【11月12日 AFP】サウジアラビアの首都リヤドで11日に行われたミュージカル公演で、出演者3人がステージ上に乱入したイエメン人の男に刺されて負傷した。男はその場で身柄を確保された。警察が発表した。同国でのエンターテインメント解禁後、このような事件が起きたのは初めて。

  事件があったのはリヤドのキングアブドラパーク(King Abdullah Park)で、国営サウジ通信(SPA)が伝えた警察発表によると、外国のミュージカル劇団のメンバーとみられる男性2人と女性1人が被害に遭った。

 ステージに上がった男が出演者らを襲撃する映像を放映したサウジ国営テレビ「アルイフバリヤ(Al-Ekhbariya)」は、襲われた3人の容体は安定していると伝えた。

 警察は、ナイフを持っていたサウジアラビア在住のイエメン人の男(33)を拘束し、事件で使われたナイフを押収したと発表した。被害者の国籍や犯行の動機などは明らかにしていない。

 中東の経済大国サウジアラビアでは現在、実質的な指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)がポスト石油時代を見据え、経済改革「ビジョン2030(Vision 2030)」を推進している。

 これに伴い、超保守的な国家イメージを変革するために、これまで禁じられてきたコンサート、映画などのエンターテインメントや女性の運転などが解禁されている。一方でこうした近代化政策が、近年権力が縮小されている宗教警察など超保守派の反感を買っている。(c)AFP/Anuj Chopra