【11月12日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)は11日、2日目が行われ、第6シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が7-6(7-5)、6-4で第4シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)を退け、因縁の相手から初白星を記録した。

 21歳のチチパスは、これまでメドベージェフに5戦全敗を喫していた中で、英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)でのグループ初戦に臨んだ。しかし、第1セットをタイブレークの末にものにすると、第2セットの終盤にこの試合初めてのブレークに成功し、これが決定打となって勝利を収めた。

 両者は昨年のマイアミ・オープン(Miami Open 2018)をきっかけに対立関係が続いており、先日の上海マスターズ(2019 Shanghai Rolex Masters)で対戦した際にも、チチパスがメドベージェフに敗れた後、同選手との試合は「退屈だ」と言い放っていた。

 問題のマイアミ・オープンでは、コードボールをめぐってメドベージェフがチチパスに謝罪を要求する出来事があった。これでメドベージェフの存在が「頭にインプット」されたというチチパスは、「つまり、ツアーでの僕らの関係は最高でないことは間違いない」と話した。

 チチパスはまた、何としても勝ちたいという気持ちがこの日の試合をより一層難しいものにしたと付け加え、「人にはよくあることだが、誰もかれも好きになるのは不可能だ。彼を憎んでいるわけではない。何というかそうだね、彼の言う通り、僕らは一緒にディナーに行ったりはしない。彼をリスペクトしているのは確かだ」と語った。

 アリーナの観客から大声援を受けていたチチパスは、今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)ファイナリストであるメドベージェフに対し、第1セットは一度あったブレークポイントをものにすることができず、このセットはタイブレークに突入した。

 しかし、ポイントが5-5で並んだ後、チチパスがフォアハンドボレーでウイナーを決めるというこの試合最高のプレーの一つを披露。さらに力強いフォアハンドでセットポイントをものにし、会場を大いに沸かせた。

 第2セットも接戦が続いたものの、ゲームカウント4-4で迎えた第9ゲームで、メドベージェフがネットに出た際にチチパスのフォアハンドを見送ることを選択。しかし、このボールはベースラインの内側に入り、相手がブレークポイントを握るという致命的な結果となった。

 その後、メドベージェフのバックハンドがアウトとなり、この試合最初のブレークに成功したチチパスがそのチャンスを逃さず、自身のサービスゲームをものにして勝利を飾った。(c)AFP/John WEAVER