【11月11日 AFP】米国のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)前国連大使が、12日に発売される新著の中で、レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)前国務長官とジョン・ケリー(John Kelly)前大統領首席補佐官が「国を守ろうとして」、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を無視したり、その権限をひそかに弱めたりしていたと明かした。

 新著「With All Due Respect(仮訳:お言葉ですが)」を発売に先駆けて入手した米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によると、ティラーソン氏とケリー氏はヘイリー氏に対し、トランプ氏の地位の弱体化に手を貸し、同氏を避けるように求めたが、ヘイリー氏はこれを拒否したという。またティラーソン氏は、トランプ氏を抑制しなければ国民は死んでしまうとヘイリー氏に訴えていた。

 インド移民の家庭に生まれ、サウスカロライナ州で知事を務めたことのあるヘイリー氏は、トランプ氏と良い関係にあった2018年末に国連大使を辞任した。ヘイリー氏は将来有望な共和党の大統領候補として、たびたびもてはやされてきた。

 ヘイリー氏の辞任から数週間後、トランプ氏とほとんど口を利かない関係だったとされるケリー氏も、大統領首席補佐官の職を退いた。トランプ氏と繰り返し対立していたティラーソン氏も2018年3月、ツイッター(Twitter)でトランプ氏から解雇を言い渡された。

 ヘイリー氏はトランプ氏に常に同意してきたわけではないとした上で、ケリー氏やティラーソン氏のような立場にある人は、トランプ氏の政策を遂行するか、できないのであれば辞任する義務があると主張している。(c)AFP