【11月11日 AFP】米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が発行したIT大手アップル(Apple)の新しいクレジットカードサービスに性差別があるとの指摘を受け、米ニューヨーク州の金融規制当局は9日、調査を開始したことを明らかにした。カード所有者の男性が、妻の使用限度額についてツイッター(Twitter)に投稿したところ、たちまち拡散したことがきっかけとなった。

 米国の実業家、デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン(David Heinemeier Hansson)氏はツイッターへの7日の投稿で、アップルカードはひどく性差別的なプログラムだと指摘した。

 ハンソン氏によると夫妻は二人合わせて所得税申告をしており、また妻のクレジットスコア(個人の信用偏差値)の方が高いにもかかわらず、アップルカードの「ブラックボックス」アルゴリズムが設定したハンソン氏の使用限度額は、妻の20倍だったという。「ブラックボックス」アルゴリズムとは、人工知能(AI)が下す説明のつかない決定のことを指す。

 ハンソン氏はアップルのカスタマーサービスに問い合わせたが、担当者はカード使用申込者の信用度を決定するアルゴリズムに原因があると述べただけで、会話は不毛に終わったという。

 今年3月、アップルはゴールドマン・サックスが発行するアップルカード(Apple Card)の提供を開始した。

 ニューヨーク州金融サービス当局は、「ニューヨーク州法の違反がないか確認し、全ての顧客が性別に関係なく平等に扱われることを保証するため、調査を開始する」としている。(c)AFP