【11月10日 Xinhua News】中国・上海市で5日から6日間の日程で開催されていた第2回中国国際輸入博覧会(CIIE)が10日、閉幕した。開催中は、多くの日本製品が来場者の注目を集めた。

 オムロン(Omron)の卓球ロボット、不二越(Nachi-Fujikoshi)の溶接ロボット、トヨタ自動車(Toyota Motor)やホンダ(Honda)の水素燃料電池車(FCV)、カネボウ化粧品(Kanebo)のコスメティックなど大手メーカーの製品から中小企業のしいたけスープに至る多くのブースで人だかりができた。

 オムロンの卓球ロボットは、同社のコア技術を紹介するため展示された。レシーブではカットやドライブなどの技を使うことができる。同社によると、昨年の第1回輸入博の際に来場者から得た意見を参考に機能を向上させ、さらに速い球を打てるようにしたという。

 これまでも中国の消費者に人気の高かった日本食品のブースには、試食の長蛇の列ができた。

 大分県の大分市創業経営支援課の施文昭(Shi Wenzhao)氏は、市内の中小企業5社を組織し出展した。そのうちの「上田椎茸専門店」の店主・上田和宏さんは、第1回輸入博に出展した際に広東省深圳市の貿易会社から購入を打診されたが、通関手続きに手間取り、中国市場進出を果たすことができなかった。しかし、上田さんの中国市場進出の決意は固く、今回の輸入博では、事前に通関に関する手続きを済ませて出展し、深圳の貿易会社と約束どおり再会を果たした。

 同じく大分市で冬虫夏草を生産する企業は、初出展となる今回の輸入博で日本で未発表の商品を披露した。

 中国で既に名を知られた日本企業の多くも、輸入博に積極的に出展した。

 昨年の輸入博で医療機器・医薬保健エリアに出展した富士フイルム(Fujifilm)は今年、出展先を設備エリアへとくら替えし、中国消費者が同社に描く写真フィルム製造企業というイメージの刷新を図った。同社の中国法人、富士フイルム(中国)投資の企業コミュニケーション部で広報主管を務める葉佳辰(Ye Jiachen)氏は、輸入博出展の目的について「モデル転換を果たした富士フイルムの多岐にわたるビジネスを紹介するため」と語った。

 今年の同社のブースは、高機能素材と医療健康科学を主体としており、8K放送用レンズや磁気テープストレージメディアが今年の注目製品となった。

 5G(第5世代通信規格)の時代にはデータ量が爆発的に増大し、長期的で安全かつ低コストのデータストレージへの需要が高まる。葉氏は、同社が9月に発売した磁気テープストレージメディアは最大で30テラバイト(TB)の記録容量を実現し、小型無人機やクラウドストレージ、セキュリティーなど大容量のデータを記録する必要がある分野に向けた製品だと説明した。

 葉氏は、中国が同社の世界三大市場の一つだと紹介。「昨年は医療健康分野で300件以上の商談を行い、良い反響が得られた。今年は開催数日前の時点で既に多くの中国企業と意向表明書を交わした」と述べた。また、日本企業の多くが中国の製造業のインテリジェント化発展における市場潜在力を高く評価していると指摘し、「輸入博への出展を通じて理想的な中国側パートナーを見つけ、お互いの強みを生かして共に発展し、日本の技術コンセプトを中国市場で産業として定着させたい」と語った。

 今回の輸入博には日本企業360社余りが出展した。出品された製品1900点余りのうち、600点近くが中国大陸市場での初公開となった。(c)Xinhua News/AFPBB News