【11月10日 AFP】男子テニス、ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ(2019 Next Gen ATP Finals)は9日、イタリア・ミラノで決勝が行われ、大会第8シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)が4-2、4-1、4-2で第1シードのアレックス・デミノー(Alex De Minaur、オーストラリア)を破り、母国で優勝を飾った。

 18歳のシナーはデミノーを相手に9本のブレークポイントをしのいで勝利。世界ランキング18位のデミノーは、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)に敗れた昨年に続き2年連続の準優勝となった。

 2017年から始まったネクストジェネレーション・ATPファイナルズは、21歳以下のトップ選手8人が出場する大会。今シーズン、世界ランキング551位からスタートしてトップ100入りを果たしたシナーは、開幕直前にワイルドカード(主催者推薦)として出場を決めていた。

 熱狂的な母国の観客から応援を受けたシナーは試合後、勝利の喜びをかみしめながら「これは特別だ」「コート上でも、ここまでのサポートを受けたことは一度もなかった。いまだにロジャー(・フェデラー<Roger Federer、スイス>)やラファ(ラファエル・ナダル<Rafael Nadal、スペイン>)がこういうのを楽しんでいるのかは分からない。でも僕はまだ若いし、楽しんでいるよ」と話した。

 一方、「一番の違いは、自分が9度のブレークポイントを一度も生かせなかったこと」と振り返ったデミノーは、「ヤニックが本当に見事な試合をしたと思う。何度もプレッシャーをかけられた」とシナーを称賛。また、「早い段階でいくつかブレークできていたら全く違う試合になっていただろう」と悔やみながらも、「この試合でシーズンを評価するのは賢明じゃないと思う」「これまでで最高のシーズンを送れたのは間違いない」と付け加えた。

 今大会までの生涯獲得賞金27万4470ドル(約3000万円)を上回る37万2000ドル(約4000万円)の優勝賞金を手にしたシナーは、韓国のチョン・ヒョン(Hyeon Chung)、そしてチチパスに続く3人目の優勝者となった。過去2大会を制した両選手は、いずれも2か月後の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)で初の四大大会(グランドスラム)4強入りを果たしている。

 なお、次週開催のATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)に出場するチチパスと、前週のパリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2019)で決勝に進んでいた世界15位のデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)のトップ2人は、今大会を欠場していた。(c)AFP/Emmeline MOORE