【11月10日 AFP】イラン原子力庁は9日、ウラン濃縮度を現在5%に引き上げていると発表した。2015年に主要国と締結したイラン核合意の義務から、また一歩離れることになる。

 核合意はウラン濃縮度の上限を3.67%としていたが、米国が昨年5月に核合意から離脱し、厳しい制裁を再び科すと、イランはこの合意を順守しないと発表した。

 イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ(Behrouz Kamalvandi)報道官は記者会見で、「われわれの必要性と、これまでに受けた命令に従い、濃縮度を5%に引き上げて製造している」と発表した。

 5%という濃縮度は、核合意の上限を超えているものの、イランが過去に製造していた濃縮度20%より低く、核弾頭の製造に必要とされる90%をはるかに下回っている。イランは7月、製造する濃縮ウランの濃度を5%に引き上げることを示唆していた。(c)AFP