【11月9日 時事通信社】ベルリンの壁崩壊から30年を迎えた9日、同市で記念式典が行われた。各国要人や民主化当時の活動家らを迎え、ドイツのメルケル首相やシュタインマイヤー大統領が、今も残る東西分断の爪痕の克服を誓い、平和への祈りをささげた。

 式典は、実際の壁が残る「ベルリンの壁記念碑」で開始。メルケル氏とシュタインマイヤー氏が、活動家や欧州各国の若者、壁崩壊と同時期に民主化した東欧4カ国の首脳らとともに、壁の隙間に平和への思いを込めてバラを差し込んだ。

 また、メルケル氏は東西ベルリンのはざまにあり、東独政府に爆破されたものの統一後に再建された「和解の礼拝堂」で演説。幼少期から青年期を東独で過ごしたメルケル氏は「人々を分かち、自由を制限する壁は、倒せないことはない」と語り、ドイツで広がる排外主義への対抗を呼び掛けた。

 式典には、旧東ベルリン市民も多く参加。壁建設の4日後、16歳の時に窓から壁を乗り越えて、西側に逃げたエルケ・ロジンさん(75)は時事通信に「(壁崩壊は)引き裂かれた市民にとってこの上ない喜びだった」と振り返った。壁崩壊を西ベルリンの自宅でテレビで見た際は「あすにはまた東独市民は東側に戻され、国境が閉まると思っていた」という。(c)時事通信社