【11月9日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)が来年のダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2020)の「主要」種目から3000メートル障害を除外したことを受け、ケニアの同種目世界王者コンセスラス・キプルト(Conseslus Kipruto)と女王ベアトリス・チェプコエチ(Beatrice Chepkoech)は、この動きが自分たちのキャリアを妨げる可能性があると訴えている。

 今季ダイヤモンドリーグ2度目の総合優勝を果たした世界記録保持者で、第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)で初の世界タイトルを獲得したチェプコエチは、今回の動きに衝撃を受けており、「3000メートル障害が来年のカレンダーに入らないと聞いて本当にショックを受けた」とAFPの取材で明かした。

「自分の陸上人生では、今が最盛期だと感じている」「だけど、最も賞金を稼げる大会であり、アスリートとしての才能を発展させることができるダイヤモンドリーグで競技ができなければ、何の意味もなくなってしまう」

 また、男子の同種目で2度の世界陸上制覇を誇り、五輪でも金メダルを獲得しているキプルトも、今回の決定はケニア人選手の成長に打撃を与えるものだとして反発し、「ダイヤモンドリーグから3000メートル障害を除外するという、IAAFの信じられないような動きにはとてもがっかりした」「今の自分があるのは3000メートル障害のおかげ。多くのケニアの若い子たちは、走ることを職業にしようとやる気になっているのに」と語った。

 しかしながらケニア陸連(AK)は、2020年には他にも高額賞金が懸かったハイレベルな大会が残されており、同国の選手が金メダルを目指せると話し、IAAFが6日に発表した決定を擁護する姿勢を示している。

 IAAFは90分間の国際放送枠に合わせてプログラムを短縮するため、来年のダイヤモンドリーグでは3000メートル障害、円盤投げ、三段跳び、そして200メートルを行わないと決定。3000メートル障害に関しては、ローマ大会、オスロ大会、ドーハ大会では実施されるものの、テレビ中継などの予定はなく、大会の総合優勝争いにもカウントされないという。

 ダイヤモンドリーグは今年に入って1万メートルと5000メートルも除外しており、大会で最も距離が長い種目は3000メートルとなっている。(c)AFP